音羽祐兵先生(内科専門医研修医)が筆頭著者の症例報告、”Amoebic encephalitis mimicking acute disseminated encephalomyelitis”がPractical Neurology誌にアクセプトされました。本例は全身痙攣発症と意識障害で入院、画像では脳浮腫を伴う大脳占拠性病変を認め脳生検を受けるも脳腫瘍は否定されました。当初劇症型ADEM(Hurst脳炎)も鑑別に治療が開始しましたが、国立感染症研究所でアメーバ脳症と診断され、速やかなミルテホシン投与によって救命し得た症例です。アメーバ脳炎は極めて致死性が高いため診断が急がれますが、本例のように中枢神経系以外にアメーバ感染症の徴候がない場合もあり、ADEM様の経過からアメーバ脳炎を疑う必要性を学んだ一例でした。本例は第24回日本神経感染症学会でも学会賞を受賞した演題です。学会発表、論文投稿とも山川勇先生が指導しました。
https://pn.bmj.com/content/early/2021/04/28/practneurol-2021-002931