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研修システム

我々が目指す脳神経内科専門医~Neuro-Generalist~

脳神経内科は「脳神経系の内科」です。我々は頭痛や痛み、記銘力障害など脳神経系の不調を主訴とする患者さんを診るわけですが、その原因はまず、脳神経系原発の内科的疾患、つまりNeurological disorderである可能性があります。

しかしその一方でそれと同頻度に、他臓器あるいは全身性疾患に伴う神経系の症状、いわゆるgeneral neurologyが原因であることも多々有ります。このように、脳神経内科の診断には広い一般内科の高い素養も必要です。さらに脳神経内科には脳神経外科や整形外科の内科部門として役割を担うことや、器質性精神病、うつ状態に伴う諸症状、意識障害など精神科との境界領域を扱うことも多くこれら診療科の実践的知識も求められます。

さらに放射線科、病理学、ペインクリニック、理学療法科の知識、連携、経験によってより高い診断能力と治療の選択肢を駆使することが出来ます。これが我々の目指す脳神経内科専門医でありNeuro-generalistと呼んでいます(下図)。

Neuro-generalist

滋賀医科大学 脳神経内科 研修プログラム

研修システムは「屋根瓦方式」であり、スタッフと医員、そして内科専門医研修医からなる主治医チームに初期研修医が加わります。スタッフの名を冠して「~先生チーム」となるわけです。初期研修の期間、1年目は全員3週間の研修が課せられますが、2年目は自由選択となり、脳神経内科を将来の候補と考えるレジデントが期間を自由に決めて研修します。1年目は3週間目にようやく脳神経内科診療が面白くなってくる頃に終了しますが、2年目にローテートする研修医は、十分な症例の割当ときめ細やかな指導、効果的な教育システムによって、相当の力を身につけます。
 次に、内科専門医研修プログラムにおける脳神経内科の専門研修では初期研修医や学生の指導をしながら、他科入院患者のコンサルテーション、救急外来を指導医とともに担当し、神経伝導検査や筋電図の手技も身につけていただきます。日本神経学会や神経感染症学会など、脳神経内科関連の学会発表や論文作成を積極的に指導します。神経内科専門医のみならず、総合内科専門医、認知症専門医、脳卒中専門医など脳神経内科領域のサブスペシャルティ専門医も充実しており、多様なキャリア形成が可能です。


1. 滋賀医大附属病院脳神経内科の特色

  • 滋賀県唯一の大学病院として、急性から慢性期、Common diseasesから特殊な神経難病まで、幅広く経験できる。「脳神経系の内科医」養成病院です。特に神経救急疾患や稀少神経難病は滋賀県のみならず、他府県からの紹介も多く、専門医取得に必要十分なバランスのとれた症例が経験できます。
  • 脳神経内科専門医としてほとんどの特殊技術(神経・筋生検、脳血管撮影、神経伝導検査、筋電図、脳波、血管エコー、神経筋エコー)が習得可能です。
  • 難病といえば脳神経内科。将来開業を見据えた医師も、それに必須の難病地域連携業務を習得できる。
  • 滋賀医大のスタッフや関連病院の講師による「脳神経内科レジデントセミナー」で脳神経内科の面白さに触れていただきます。
  • 「みんなで学ぶ脳神経内科」です。脳神経内科には「免許皆伝」はありません。高みを目指して教授も、スタッフも、研修医も日々勉強する雰囲気です。

2. 初期研修と後期研修プログラムの違い

  • 初期研修医プログラム;担当医として主治医とともに入院患者の診察にあたり、診断や治療を上級医の指導を受けながら考え、実施します。副直として神経救急患者の診療を上級医とともに進めます。本人の希望があれば後期修練医のトレーニング内容も積極的に指導します。
  • 後期専門修練医プログラム;1年目は主治医として患者診療にあたり、上級医との主治医団のなかで主体的に診療に当たります。意識障害など他科からのコンサルテーションへの対応力また初期研修医の指導も行う中で、指導医としてのトレーニングも行います。筋電図、末梢神経伝導検査、誘発電位、神経筋エコー、脳波については独力で実施し、解釈ができるよう訓練します。神経生検、筋生検の適応例は積極的に行い、上級医の手技を習得していただきます。希望者には脳神経外科の協力のもと、脳血管造影のカテーテル手技も習得可能です。

3. 滋賀医大脳神経内科研修で習得可能なスキル

  • 頸動脈エコー
  • 脳血管造影
  • 神経筋エコー
  • 神経筋生検
  • ボツリヌス注射
  • 筋電図、神経伝導検査、誘発電位、脳波の実施と判読
  • 神経画像、核医学検査の読影

4. 滋賀医大脳神経内科研修で習得可能な専門医

  • 脳神経内科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医師
  • 認知症専門医
  • 臨床遺伝学専門医

  (各学会に加入し、専門医試験など専門医要件を満たすことが必要です)


5. 滋賀医大脳神経内科の研修スケジュール

滋賀医大脳神経内科の研修スケジュール2

症例経験を何倍にも膨らませ、応用力をつけていただきます。

・ Strokeカンファレンス(毎週月曜日 8:00~):脳卒中入院症例、外科治療について脳外科と脳神経内科で検討

・ Hands-onレクチャー(1/月):神経筋超音波検査のハンズオンと診断

・ ショートジャーナルクラブ(毎週火曜日 8:00~);受け持ち症例に関する論文を1人1分で紹介(次項)。

・ 退院報告、症例検討カンファレンス(毎週火曜日17:00~);診断や治療に悩む症例を一緒に考えよう

・ 回診前カンファ、病棟総回診(毎週木曜日13:00~);総回診前の新患紹介カンファ。要領の良いプレゼンの練習と回診時の疑問点のディスカッション。

・ Weekly経過カンファレンス(毎週金曜日16:00~);1stの先生に受け持ち症例の一週間の経過のサマリーと個別サジェスチョン。

・ 脳神経内科レジデントセミナー(1~2/月 18:00~);滋賀医大内外の講師による脳神経内科の面白講義です。専門領域における診断や治療のtips、研究レベルに渡る深い話が伺えます。

・ 脳波チュートリアル(毎月第1水曜日 18:00~);てんかん専門医による脳波の判読ハンズオンと診断困難例の解説レクチャーです。


脳波チュートリアルの様子

Weekly カンファレンス

ショートジャーナルクラブ

ショートジャーナルクラブ

脳神経内科レジデントセミナー(2017)

脳神経内科レジデントセミナー(2017)

6. ニューロチームの強化

滋賀医大は脳神経系を診療する脳神経外科、精神科との診療・研究で連携をしています。例えば、外来は脳神経センターとして同じブースで行い、脳外科とは脳卒中、精神科とは認知症やてんかんに関する研究会を定期的に開催しています。

脳外科・脳神経内科合同カンファ

脳外科・脳神経内科合同カンファ

7. 関連・研修可能病院

滋賀医大付属病院に加え、滋賀県内外の日本神経学会教育施設での研修が可能です。
関連施設一覧はこちら

疾患別患者数

疾患名 外来 延数 入院患者 実数
2017年 2018年 2017年 2018年
脳梗塞 800 1457 101 90
脳出血 29 14 0 0
脳炎 19 24 2 25
髄膜脳炎 32 5 8 4
アルツハイマー型認知症 261 639 5 4
レビー小体型認知症 23 29 2 5
その他の認知症 73 18 3 6
パーキンソン病 838 1843 20 30
パーキンソン症候群 225 97 10 5
進行性核上性麻痺 8 12 5 10
大脳皮質基底核変性症 34 6 6 2
不随意運動 353 107 15 2
筋萎縮性側索硬化症 117 226 35 57
その他の運動ニューロン疾患 16 18 1 7
脊髄小脳変性症 190 138 34 39
(MSA, SCA,痙性対麻痺含む)
多発性硬化症 94 77 6 7
ミエロパチー・脊髄炎 32 32 3 21
脊椎疾患 400 1
炎症性ニューロパチー 90 103 55 32
末梢神経障害(外傷含む) 400 5 7
多発筋炎・皮膚筋炎 57 43 7 15
ミオパチー、筋ジストロフィー 31 44
重症筋無力症 259 200 8 6
ミトコンドリア脳筋症 50 31 5 2
てんかん 691 353 8 14
頭痛 313 154
内科疾患に随伴する神経症候群 182 463 48 8
その他 4632 5120 8
年間総数 10249 11253 401 423

当院では脳梗塞は脳神経内科、脳出血は脳外科にて入院加療をしています。