脊髄小脳変性症

主要な病気の解説

脊髄小脳変性症

どんな病気?

◆小脳にある神経細胞が消失することによって、機能障害である歩行時のふらつき、呂律が回らない、手先が不器用になるなどの症状が出現する病気です。パーキンソン病、ALS、アルツハイマー病などと同様、神経変性疾患に分類され、国によって難病の指定を受けています(脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)(指定難病18) – 難病情報センター)。主に家族に同様の症状を認めない孤発性と、それを認める遺伝性に分けられ、前者が全体の3分の2を占めます。脊髄小脳変性症は英語でspinocerebellar degeneration、略してSCDと言われますが、孤発性SCDで最も患者数の多い病気は多系統萎縮症(MSA)です。先述したように、MSAにはパーキンソン病様の症状が目立つMSA-Pと、ここで述べる小脳症状が目立つMSA-Cの2つの病気に分類されます。遺伝性のSCDは一般的にはSCA(spinocerebellar ataxia; 脊髄小脳性失調)と言われ、原因遺伝子が次々と判明しています。脊髄小脳変性症は進行性の神経難病ですが、症状がよく似ていても原因が異なる病気のことがあります。中には治療に反応する病気であることもありますので、脳神経内科の専門医におかかり下さい。

治療は?

◆疾患を劇的に改善させるお薬はありません。しかしタルチレリンというお薬の服用で進行が遅くなることが報告されています。

◆小脳の病気にはリハビリテーションが極めて有効です。ただし、小脳疾患の理解と経験のある療法士による、専門的な小脳リハビリテーションを行うことが必要です(https://shiga-neurology.com/medical-care/clinical/#05)。

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