パーキンソン症候群

主要な病気の解説

パーキンソン症候群

どんな病気?

◆パーキンソン病とよく似た症状を示すが、原因が異なる病気です。大きく分けておくすりの副作用で生じる「薬剤性パーキンソン症候群」と、脳の病気(神経変性疾患)が背景にある「変性型パーキンソン症候群」があります。

薬剤性パーキンソン症候群は精神科などで処方される、抗精神病薬が原因のことが多く、服用期間が長いほど、服薬量が多いほどかかりやすい傾向があります。しかし、最近の抗精神病薬はパーキンソン症状が出にくい工夫がされていますので、心配な場合は主治医の先生にご相談ください。

◆変性型パーキンソン症候群の代表的疾患は進行性核上性麻痺と多系統萎縮症で、ともに国によって難病の指定を受けています。診断は、パーキンソン病の診断で行う検査と同様です。

進行性核上性麻痺

英語ではprogressive supranuclear palsy、略してPSPといい、指定難病です(進行性核上性麻痺(指定難病5) – 難病情報センター)。パーキンソン病よりも転倒しやすく、特に後ろ方向に転ぶことが多いことが特徴です。進行すると目の動きが悪くなり、特に上下方向への動きが不良になります。治療はパーキンソン病と同様に行いますが、残念ながら有効性は極めて乏しいです。PSPは初発症状や進行の仕方に個人差が大きく、中には症状がパーキンソン病と酷似し、レボドパなどの治療薬が有効な症例も存在します。しかしこれらも進行とともに、PSPの症状が目立ってゆきます。

多系統萎縮症

英語ではMultisystem atrophy、略してMSAと呼ばれる指定難病です(多系統萎縮症(1)線条体黒質変性症(指定難病17) – 難病情報センター)。MSAには主に2つのタイプがあります。パーキンソン病様の症状が前景に立つものをMSA-P、ふらつきや呂律困難など小脳症状が前景に立つものをMSA-Cといい、ここではMSA-Pについて述べます。MSA-Pは50歳ごろから発症し、パーキンソン病様の動作緩慢や歩行障害が左右のどちらかに目立ちます。加えて、頻尿や尿失禁などの排尿障害や起立時に血圧が低下すること(起立性低血圧)で生じる、起立時のふらつきといった自律神経症状が出現します。治療法はPSP同様パーキンソン病薬を用いますが、残念ながらパーキンソン病ほどの有効性が期待できません。

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