主要な病気の解説
重症筋無力症
どんな病気?
全身の筋肉が疲れやすくなる病気です。自らの身体に対してできる抗体(自己抗体といい、抗アセチルコリン受容体抗体と抗MUSK抗体という2つがあります)が筋肉を攻撃するために、運動神経から筋肉を動かす刺激が伝わらないために起こります。まぶたが下がる(眼瞼下垂)や物が二重に見える(複視)といった目の症状が主体となる場合(眼筋型)と嚥下や呼吸、さらに手足のちからが主に弱くなる場合(全身型)に分けられます。運動をすればするほど症状が強くなるので、朝より昼、昼より夕方に症状が強い事が多く、休んでいると改善することが特徴です。また、この病気も国が定める指定難病です(重症筋無力症(指定難病11) – 難病情報センター)。
診断は上記について問診し、専門的な診察をします。そして、採血して血液中の自己抗体が存在するかどうかを調べます。さらにアセチルコリンの効果を短時間高めるお薬を注射して、眼瞼下垂や筋力低下が改善するかをみるテンシロンテスト、さらに冷たい枕などをまぶたに当てて、眼瞼下垂が改善するかを確認するアイスパックテストを行うこともあります。専門施設では、症状のある筋肉を動かす神経に、連続した電気刺激を与え、筋肉で収縮の具合を電気で図る検査(反復刺激筋電図検査)によって、特徴的な結果が得られれば、診断はさらに確実となります。
治療は?
重症筋無力症の治療はこの20年で劇的に進歩しました。まず眼筋型ではアセチルコリンエステラーゼ阻害薬というお薬のみを内服するが多いですが、症状が強い場合、副腎皮質ステロイド薬を少量処方することもあります。全身型の場合は、免疫抑制剤というお薬を初期から投与することで、ステロイドの内服量を出来るだけ少量にする、という標準的な治療の流れが出来ました。副腎皮質ステロイドを一定量以上、長期間服用すると、顔がむくんだり、糖尿病や骨粗鬆症といった副作用が出現することがあるため、出来るだけ少なくすることが重要です。
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