主要な病気の解説
頭痛
どんな病気?
◆背景に何か病気が存在し、その症状として頭痛が出る状態を「二次性頭痛」と言います。頭痛は脳腫瘍やくも膜下出血、髄膜炎といった脳の病気の症状として出現することがあるため、これまでに経験したことがない強い急激な頭痛を感じた時には、至急脳神経内科や脳神経外科を受診してください。特に羞明(部屋の明かりがつらい)、音過敏の症状、首を振ると痛いと感じる方は、緊急手術や入院治療が必要な病気である可能性があります。また副鼻腔炎(蓄膿)に伴って前頭部の痛みが出ることもあります。朝に頭痛と吐き気がひどい場合は脳腫瘍のこともありますので注意が必要です。
◆一方頭痛のみでMRIなど検査をしても異常の出ないものは「一次性頭痛」といいます。ほとんどの場合、片頭痛と緊張型頭痛であり、時に群発頭痛や後頭神経痛(頭皮神経痛ともいう)の患者さんに出会います。片頭痛は若い女性に多く、逆に中高年で始まる頭痛の多くは緊張型頭痛です。頭痛の診断はほとんどの場合専門医による問診でつきます。
◆顔が突然痛くなる場合、いくつかの特別な病気の可能性が考えられます。三叉神経痛という病気は目の下や上が突然ピリッと痛む病気です。頭の中で血管と三叉神経が当たって起こると考えられています。お薬で痛みが和らぐこともありますが、症状が改善しないときは脳神経外科で血管と神経の間を離す手術を受けることで改善することが期待されます。その他ものが二つに見えたり、見えにくくなる症状が伴う場合は、脳の病気が隠れていることがありますので専門医を受診してください。
治療は?
◆くも膜下出血や脳出血は緊急入院による治療が必要です。特にくも膜下出血は命にかかわる病気であり、脳外科医による動脈瘤のコイル塞栓やクリッピングが必要です。
◆緊急でない頭痛は原因が極めて多種にわたり、治療法も様々です。漫然と痛み止めの内服を続けると依存症となり、胃潰瘍を起こす、あるいは腎臓の働きが悪くなることもあります。また、頭痛の種類によって特効薬が異なります。例えば、最近は片頭痛を予防できる注射薬も利用が可能となりました。発作の回数が劇的に減ることが期待できます。この様に頭痛の診断は急性疾患から特殊な疾患まで、極めて複雑で多彩のため、頭痛学会専門医や脳神経内科専門医の受診をお勧めします。
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